
本日、の予報。

ついに、先日2冊目の著書『これならできる!自然菜園 耕さず草を生やして共育ち』(農文協)が発売され、
今の課題の一つは、元水田を自然菜園(畑)にすることです。
これから菜園を行いたい方が増えるに従って、畑でなかった元田んぼを借りることが多くなります。
田んぼは作土層が浅く、しかも水はけが悪いため、水田以外に使うとなると、作物を選びます。
元田んぼが、畑に自然な形で以降できたら、とても助かります。

元水田にも、2種類あります。
前水田と、元々水田の2つです。
去年まで水田をしていた前水田と、2年以上前まで水田だった畑ではどうも様子がずいぶん異なります。
写真のか細い稲は、前水田だったので、自然に稲が生えてきて今のような一部、稲が穂をつけています。
前水田は、畑の草が生えにくく、地力もあり、pHも通常で、水はけが悪い点を除けば、まあまあ野菜が育てやすく1年間はどうにかなりますが、
2年以上前に水田だったところでは、水はけが悪い上に、年々pHも低くなり、地力が落ち、痩せてくる傾向があるため、野菜が育てにくい傾向があるように思えます。
そこで、特に元々水田を畑として維持するには、しっかりと地力がつくような土づくりをしながら、水はけも改善しないと持続可能な畑として利用しにくく、一部の野菜は育つものの、育ちにくい野菜が多くなりがちです。

この前水田でも、来年以降から自然菜園が出来る畑にするために緑肥作物を育てて畑化することにしたので、参考になってくれたらと思います。
立っているところは、前水田です。現在は無数の緑肥作物の混播によって凄いことになっています。

背丈2mを超す緑肥作物は、今年5月、6月に2度蒔きした1年草のクロタラリア(マメ科)、セスバニア(マメ科)、ソルゴー(イネ科)、そして足元には耐湿性エンバクが生えています。

左側が、セスバニア。右側がクロタラリアです。

元水田の畑化に最も有力な緑肥作物の一つが、このセスバニアです。
主に湿地を好み、夏にかけて精力的に背を伸ばし、2mを越え、根も地中深くにも穴をあけ水はけをよくし、チッソ固定量は、レンゲの4倍ともいわれる田んぼの畑化には力強い緑肥作物です。

こちらは、夏のマメ科緑肥作物のクロタラリアです。
クロタラリアは、乾燥した場所が好きなので、セスバニアと一緒に蒔くことで、セスバニアが生えにくい乾燥したところに生えてくれるため、全面を覆うことができ、チッソも固定してくれるので土を豊かにしてくれる緑肥作物です。
その他にも、イネ科のソルゴー、エンバクを混ぜることで、
イネ科の根が土を耕してくれ、ワラは大量の有機物として生き物の餌や住処になり、いずれは腐植や団粒化に役立ってくれます。
今回はこの4種類の緑肥作物を5月に一度混ぜて全面に蒔いてから管理機で耕し、生えが悪いところなどに上から更に6月蒔き足して現在上の写真のように、2mを超す緑肥ジャングルになっています。

夏も終わりになってきたので、この夏の緑肥ジャングルに、秋から春にかけて土を肥やしてくれる3種類の緑肥作物を蒔き足すことにしました。


クリムソンクローバー(下)、レンゲ(右)、アルサイククローバー(左)の3種類です。
前回も数種類の緑肥を混ぜて蒔きましたが、今回も混播することで、適地適作で前面に多種多様なマメ科が生えることを狙います。
前田んぼといっても、場所によって水はけに違いがありますし、均一に見えてなかなか異なる環境です。その場その場にあった緑肥が繁茂してくれることで、その場に合った畑化が出来ることを狙います。

これらの緑肥を混ぜて夏の緑肥ジャングルの上から蒔いた後、夏の緑肥作物が花を咲いているうちに刈ります。
2mもの緑肥を刈り敷くと、すっきりし元田んぼだったのがうなずけます。

刈る前に次の緑肥を蒔くことで、根元に種が落ちて、刈ったワラが土に還り、次の緑肥作物を養います。

10日経っていってみると、夏の緑肥ジャングルを刈った足元で、すでに秋冬のハコベなどに混じってレンゲやクリムソンクローバーなど前回蒔いた緑肥作物が芽を出していました。
9月末に様子を見て、レンゲを蒔き足すかもしれませんし、10月には、ライコムギなど緑肥ムギの種を蒔き足そうと思います。
最初5月には耕しましたが、それ以降は蒔き足すのみで、耕しません。
機械では耕さないのですが、緑肥作物の根によって深く、浅く耕してもらっていますので、来年の春には水はけのよく、肥えた畑になってくれていると思います。
今回の元田んぼの畑化は、緑肥作物のみを使った抜本的改革になりました。
堆肥を入れて耕すことで土の化学的改良も大切ですが、生物(緑肥作物)の力で、物理的にも化学的にも田んぼだったところの土を畑にする効果はとても高く、それからでも堆肥は間に合うので1年余裕があれば、先に緑肥作物を導入するのも手かと思います。
まずは緑肥作物で、水はけをよく、水持ちのよい団粒構造を発達させ、マメ科による窒素固定で土を肥沃化させ、それでも足りない場合に、モミガラ堆肥のような元田んぼに向いた堆肥を導入すると最高です。
元田んぼは、水はけを良くし、通気性を高めてあげれば、あとは乾燥さえ防げれば、粘土固有の日持ちの良さが野菜を健やかに粘り強く育ててくれ最高の畑になります。